なぜ今、名古屋でアパレルポップアップなのか?
東京・大阪ブランドが注目すべき3つの理由
近年、アパレル業界では「リアルな場でのブランド体験」が再評価され、ポップアップストアの重要性が高まっています。
その中で今、東京・大阪のアパレルブランドから静かに注目を集めているのが「名古屋」です。
なぜ名古屋なのか?
特にポップアップを検討しているブランド担当者の方に向けて、その理由を整理します。

東京・大阪ほど競合過多ではないという優位性
東京や大阪では、ポップアップストアはすでに特別な施策ではなく、日常的な販売手法の一つになっています。
大型商業施設、路面区画、イベントスペースを問わず、常に複数のブランドが同時期に開催している状況です。
その結果、以下のような課題が顕在化しています。
- 同じ週末・同じエリアで複数ブランドが並行開催
- ユーザーが「今日はどこへ行くか」を選別する状態
- 情報が多すぎて、1ブランドあたりの印象が薄くなる
- 集客のための広告費・インフルエンサー施策が必須化
ポップアップを開催しても、「見てもらうためのコスト」が年々上昇しているのが実情です。

出店コスト・人件費の高騰が利益構造を圧迫
東京・大阪では、好立地になればなるほど、
- スペース使用料
- 設営・什器費用
- 短期スタッフ・販売員の人件費
といった固定費が高額になりやすく、ポップアップ=利益を出す施策というよりも、「広告・PR費用」として割り切らざるを得ないケースも増えています。
一方で、名古屋は同等レベルの立地・空間条件でも、コストを抑えつつ開催できる余地があるエリアです。
この差は、単なる経費削減ではなく、
- 開催日数を増やす
- 什器や演出に予算を回す
- スタッフの接客クオリティを高める
といった体験価値への再投資を可能にします。

実は名古屋は「適度な競争環境」が保たれている
名古屋では、ポップアップの開催数自体は増えているものの、東京・大阪ほど過密な状態にはなっていません。
そのため、
- 同時期に競合ブランドが少ない
- 情報が埋もれにくい
- 来場者が1ブランドに割く時間が長い
という状況が生まれやすくなります。
特に、初開催・初進出のブランドにとっては「比較されすぎない」という点が大きな強みです。

テストマーケティングに最適な理由
名古屋は、
- 都市規模が十分に大きい
- 消費者層が安定している
- 競争が過度ではない
という条件が揃っており、「ブランドがどう受け取られるか」を冷静に検証しやすい市場です。
東京・大阪での結果が
「競争環境に左右された数字」になりやすいのに対し、
名古屋ではより実態に近い反応を得られるケースも少なくありません。

筆者より:実は名古屋はスゴイんです
イメージ面では横浜や福岡の勢いが目立つこともありますが、経済規模や都市機能の「強さ」を数値で見ると、名古屋は圧倒的な3番手です。
経済規模(市内総生産)
都市の「稼ぐ力」を示す数値では、横浜や福岡を大きく引き離しています。
- 名古屋市:約14.2兆円 (名古屋市公式:市民経済計算)
- 横浜市:約13.8兆円
- 大阪市:約20.3兆円
- 福岡市:約5.8兆円
※名古屋市は人口で横浜市を下回りますが、1人あたりの所得や生産額では横浜・福岡を圧倒しています。
都市の「拠点性」と「集積度」
ビジネスの拠点としての数値も顕著です。
- 上場企業本社数: 名古屋市は国内3位。横浜や福岡に比べ、地域経済を牽引する自社資本の企業が圧倒的に多いのが特徴です。
- 卸売業年間販売額: 「モノが動く金額」では、名古屋は大阪に次ぐ規模を維持しており、中部圏全体の物流・商業のハブとして機能しています。(経済産業省:経済センサス)
なぜ「地味」に見えるのか?
数値が高いのにもかかわらず、イメージで他都市に押される理由は、消費行動や都市構造にあります。
- 昼夜間人口比率: 名古屋は「周辺から働きに来る街」としての側面が強く、昼間人口比率が非常に高い(約113%)ため、ビジネス都市の印象が強くなります。
- 堅実な消費傾向: 前述の通り、名古屋の若者は「見栄」よりも「実利(クルマや家電、貯蓄)」を優先する傾向があるため、福岡のような「若者の街・ファッションの街」という華やかなイメージが広まりにくい側面があります。
筆者からポップアップをお考えの企画担当者様へ
名古屋を『第3の都市』というイメージだけで捉えていませんか?実は名古屋市の市内総生産(約14.2兆円)は横浜市をも凌ぎ、一人あたりの購買力は国内トップクラスです。
特に若年層の消費は、単なる『流行への飛びつき』ではなく、『価値があると認めたモノへの集中投資』という特徴があります。アパレルや家電など、実体のあるモノへの支出意欲は東京以上に高く、一度ファンになれば継続して購入する『堅実かつ熱い』顧客基盤が築けます。名駅・栄という超密集型の商圏で、この高い可処分所得を狙わない手はありません。









